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まさに雪国の知恵!かんじき作りが始まっています。(前編)

こんにちは。小谷村地域おこし協力隊員の新村です。

今年も早いもので12月ですね。
小谷村は11月半ばから雪が降り、村内に3つあるスキー場のうち、栂池高原スキー場が11月25日からオープンしました。

私が管理しているキャンプ場もこのとおり。

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11月で一面雪景色です。
これから降雪も本格的になりますが、こんな雪の中でぜひチャレンジしてもらいたいのが雪上トレッキング。

普段、登山道などに沿って歩くのとは違い、自由に雪で静まりかえった森の中を歩き、雪に残る動物の足跡を見つけながら歩くのもまた違った楽しみ方です。
とはいえ、豪雪地帯の小谷村で雪の中を歩けるのか?と言いますとそこは先人の知恵がありました。

それは”かんじき” 木と縄で作った特殊な履物で、自分の体重を分散させ埋まらないようにします。

西洋ではスノーシューとも言われています。
雪の多い日本。各地域で作りかたも使う材料も微妙に異なるようなのですが、小谷村に古くから伝わる”爪カンジキ”作りを私が体験してきました。

爪カンジキ作りは紅葉も終わりかけの11月からはじまります。

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小谷の山の中に藪をかき分け、黄色く紅葉した”アブラチャン”というかわいい名前の木を探します。

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ねじれたり、曲がっていない枝を切り落とします。(100本以上!!)

そして切ってきた枝を中土交流センターへ持っていき、釜に沸かしたお湯でひたすら茹でて、柔らかくなったところを曲げます。

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機械は一切使いません。木で作った道具を使い、最後に木枠にはめ形を落ち着かせます。
アブラチャンの木は脂分が多く、粘りもあるため曲げに強いのだそうです。

この曲げた木を2つ組み合わせて最終的にはかんじきへと仕立てていくのだそうですが、これで年内に行う爪カンジキ作り作業の前半戦はおわり。
この後は年明けに室内で曲げた木をかんじきへと組み立てていきます。

豪雪地帯ならでは、外での作業は雪が降る前に!というのが計算されているんですね。
ちなみにこの日の夜から小谷村は降雪でした。

なぜ”爪”カンジキなのか、実際に組み立ててみてその意味を探ってみたいと思います。
それでは次回、小谷流爪カンジキ作り後半をぜひお楽しみに。

私も楽しみです。